【イベント報告】「バゲット焼き色違い」を食べ比べる!




 
 

「食卓こそは人がその初めから決して退屈しない唯一の場所である。」
by ブリア=サヴァラン

 
 
すばらしい映画・ドラマ・お芝居にはすばらしい脇役が必ず存在します。
主役を引き立て、物語をより深みのあるものにする非常に大切な役割です。

「食事は食卓の上で料理・パン・ワイン達が繰り広げる楽しいお芝居のようなものだ」と
以前フランスでホームステイしたときにお父さんから聞いたことがあります。

食事がお芝居だとしたら、料理は主役、脇役はパン。
食べる我々はその芝居の演出家でもあり観客でもあり、
といったところでしょうか。

演出家として
今日の主役に合わせて、脇役であるパンはどのお店の何のパンにするか?を考え
そして観客として
役者がいい演技をしているか?役者たち相性はどうか?
客観的な立場でお芝居を眺めるように、それらの味わいを楽しむ。

食べることが人生の喜びであるフランス人らしい表現ですね。
 
 
フランス人の食卓のパンは圧倒的にバゲットであり
そのバゲットに対するこだわりたるや
それはそれは日本とは比較にならず
その一つが「バゲットの焼き色違い」であります。

フランスでは各々自分の好み・こだわりのバゲット焼き色があり
パン屋さんもそのニーズに対応して様々な焼き色のバゲットを常時用意しております。
「Bien cuite(しっかり焼けた) s’il vous plaît.」
「Pas trop cuite(あまり焼きが強くない) s’il vous plaît.」
などなど。
 
 




 
 
日本では同じパン屋のバゲットで焼き色違いを
買える機会もなかなかありませんので
同じお店で3種類(焼きが甘い・ふつう・しっかり焼いた)
のバゲットを今回、桜新町のベッカライ・ブロートハイムさんに
特別に焼いていただき味の違いを体験してみました。
 
 

↑美しいバゲットは美味しい。美味しいバゲットは美しい。


 
 
フランスの家庭の普段の食卓では
「バゲットは切らない。バゲットはちぎる。」
これなんです。

食卓にバゲットが一本そのまま置かれ
各々好きな分だけちぎっていただくんです。
一つのバゲットをみんなでちぎって分け合う。
私は初めてこの光景を目の当たりにした時
フランス人にしてみたら当たり前のことなのかもしれませんが
パン文化の歴史の重みというか
これが「company」という言葉の語源そのものなのかと(ぜひ以前のコラムをご参照ください)
猛烈に感動したのを今でも覚えています。
 
 

↑参加されたみなさんにもバゲットをちぎるのを体験していただきました。

バゲットは切るよりもちぎったほうがおいしいんです。
ナイフでスパッときった断面よりも
やさしくちぎった断面のほうが
口の中に入れた時に風味を感じやすいですし
料理とも味がからみやすい。
これはぜひ一度試してみてください。

↑今回はバゲットのお供にマッシュルームのスープにサーモンリエットとパテドカンパーニュをご用意

そして締めにチーズは欠かせません。
今回もチーズは赤字覚悟(笑)
・ブリ・ド・モー フェルミエ ロートシルト
 チーズの王様 ブリ・ド・モーの唯一の農家製です。
そしてMOFチーズ熟成士ロドルフ・Mの
・サン・ネクテール
・カンタル
をご用意

みなさんチーズの美味しさに喜んでいただき
大奮発した甲斐がありました。
美味しいバゲットに美味しいチーズは不可欠ですからね。
 
 
で、肝心な焼き色の食べ比べ。
これはどっちがいい、どっちがおいしいというのはないのですが
ほんとにひとりひとりの好みでいいと思ってます。
参加されたみなさんにどれがおいしかったかと聞いたところ
「しっかり焼いた」か「焼きが甘い」かに
ほぼ半々に分かれました。
「ふつう」がひとりもいなかったのがやっぱりという思いもありますが
面白い結果でした。

私は個人的にはフランスで覚えた「焼きが甘い」バゲットが好きです。
だけど美味しくて焼きが甘いバゲットに日本では
なかなか出会う機会がないんですよね~。

いつか日本でもフランスのように
食卓というお芝居の名脇役であるバゲットの
重要な要素である「焼き色違い」のバゲットが
選べるようになったらうれしいなぁと願っております。

 
 
パンは
「気軽なもの」「ファーストフード」よりも
「人生を楽しむために欠かせないもの」「ゆっくりと大事に味わうもの」
これがpan-ya.comが一番伝えたいこと。
今後も楽しいイベントを企画していきたいと思います。

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